あの人の中の私は、私の形をしていない。
私の母は、私のことが大好きです。
ピアノを愛し母の言うことを聞きながらも可愛く反抗し程よくからかって理想の親子関係を築いている娘のことを愛している。
本が好きで人と話すことを苦とせず母を立てながら自分の世界を持ちそこに住む私を理想としている。
そして、そんな娘ではない『私』は知らない。
助けてって、もうそんなに私に頼まないで上に載せないでって懇願しても決して受け入れることがなかった彼女は母の顔を被った化け物のようだった。
自分の非を決して認めず、うけながし謝ったことにして全てを許されたことにして正当化することばかり考える母。
誰よりも私のピアノを愛し後悔しないように練習しなさいと延々と説き続け、その道で進むためにはと道を作ろうとしお金が足りないとわかった途端私にその努力を強いた。
足りないのはお金ではなく貴方の努力だと思い込んでがんばれがんばれと応援をしてる振り。
それでも母の視界に入りたくて頑張って、どんな親でも子供にとっては親がすべてでその世界に許されたくて。
環境もお金もない中で足掻く私はどれだけ滑稽だったのかは分からないけれどたしかに私は異質な存在だった。
そんな私を見たくなくて、自分のせいだと思いたくなくて毎回来ていた所に突然来なくなって。
お願いだから見捨てないでと必死に自分を取り繕ってどれだけバカにされようと罵られようと頑張って決して一度も足を止めることはなかったのに、家族が原因で手放さないとならなくなり挫折した途端すべてを見放された私は。
私は、一体誰?
あの心底がっかりした顔は、自分の子供に向けるものではなかったよね?
失敗した、って顔に書いてあったよ。
こんなのいらないって私の旦那さんに押し付けて、調子が良くなってきた時だけ自分のわがままを聞いてくれる要因として呼び寄せるようになっても貴女のことを母と思えると思う?
貴女は、誰?
多分私は一生血の繋がりを恨むだろう。
家族という体が1番嫌いな肩書きで、私の家族は自分で選んだパートナーと最後まで私を心配してくれた末の妹。
それ以外の人など家族という名の他人でしかないし、家族と思うと腹が立って一緒にいられないから血の繋がった知り合いと思うことにしている。
色んな人から見た私。
それは、誰?
本当に私?