私にくれなかった愛を、私が愛する人にくれること。
私がずっと欲しかった言葉が、言って欲しかった人の口からぽろぽろこぼれる。
嬉しいような虚しいような、でも1番は安心してる。
一欠片の希望は確かにまだ輝きを保っているのだと、まだ大丈夫だと。
もう二度と本音を言わない代わりに、大切なものを大切にしてもらうことを選んだ。
どうやっても縁を切る覚悟が決められなかった私にとって、この選択が出来たことは間違いなく救いだった。
そして関わる度に、私のことはもう二度とちゃんと見ることはしないのだと実感する。
それでいいのかと、問いかける自分がいる。
じゃあどうするのかと逆に問いかけると黙る。
結局正しい答えなど存在しないのだ。
私は納得しているのか、かどうかは多分彼女の口からあの人の印象を聞いてから決まるのだと思う。
私の代わりにあの子を愛してくれたら初めて私はあの人を認識できるし、愛されなかった私はもう存在しないのだと長い時間をかけて受け入れていける。
本当は向き合えたら理想なのだろうだけど、それは一生叶わないのだとやっと理解した。
でも、やっと愛せる。
本当はずっと愛したかった人を、歪な形だけどきっと正しく。