そこそこ、を目指して ~うつだけど前を向きたい~

生きることを頑張れなくなってしまいました。でもぎりぎり生きています。

呪い

神様に呪いをかけられた人生に祝福を。

気が付いた時には、手の中にはたったひとつの物しか大切に出来ない不器用な人間だった。
他のものを持とうとするとバランスが崩れて立っていられないから、普通の人生とやらはとうの昔に諦めた。
それでも、その手に残る物は宝物であると信じて。

成長していくにつれ他のものを手に持つことは出来なくても、付随して必要なものだけは最低限持つ事が出来るようになった。
感覚が他の人と違う私でもいいと言ってくれる人だけが周りにいてくれるようになったからそんなに困ることもなく。
不器用ながらに必死に生きて来た。

それの何がいけなかったのかと未だに思う。
付随したものを欲したから?手に持つ物を持ち続ける環境として相応しく無かったから?
神さまに全ての感情を振り切らせて何も感じなくなって人生をリセットされた時は心の底から呪った。

それでも人生を終わらせてくれなかったことに関しては今でもずっと怨んでいるしこれからも怨み続ける。
それでも立ち続ける程の強さを持ち合わせていた己が憎くて仕方がなかったけれども強制終了には強すぎた。
そしてふと気が付くと周りにいる人は更に厳選されその手に持つものは宝物だと言う人しかいなくなっていた。

たったひとつしかないそれは、私にとっては大切な宝物だったけど他人から見たらがらくたでおもちゃのようだと言われていたのに。
それはとても素敵な宝物だねと言う人だけが私の周りにいるようになって気付いた。
ああ、これは呪いか。

その手に持つ物だけを大切に出来るように神様が私にかけたお呪い。
自分一人では突き進めない道すらも拓いてくれる人だけが必要なものだと私の代わりに選別してくれた。
これからの人生をその手に持つ物だけを持っていればいいように。

だから不必要なものは全て奪った。
大切に出来ない人のことは大切にしなくていいように、喜びも悲しみも全て請け負うパートナーを据えて。
さあ、また私に愛される準備は出来たかい?と問う

これは、紛うことなきのろいでまじない。
わたしはせかいでいちばんの呪いをかけられた。
その呪いはずっと私の中心にいて、決して濁ることなくいつまでも澄んだ色をして私を映す。

それを受け止める器ではないことはとうの昔に分かったうえで、私は呪いを受け入れることにのだから。

覚悟を決めろ。

のろいにするかまじないにするか、答えはもう既に決まっているのだから。