そこそこ、を目指して ~うつだけど前を向きたい~

生きることを頑張れなくなってしまいました。でもぎりぎり生きています。

その手すりに足をかける時

アクセサリーを全て外して、その手すりに足をかけることができる人が本当に弱いかしら?

小さな映画館で、少し昔のとても静かな映画をひとりで見ました。
インドの映画だったのですが皆が踊り出すことも無く、ただ誰かの人生の少しの部分を切り取ったような映画でした。
ほんの少しの偶然で現れた縁が繋がることなく終わってしまう少し悲しい恋、というか淡い思い出。

きっとどこかで起こったとしても気づかないような物語。
紙をめくる音や電卓を打つ音が響くような静かな映画。
大きな事件が起こることも、誰かが悲しみに打ちひしがれて泣き叫ぶこともないようなただの日常。

その中で、とある母娘が心中を図りました。
そして、主人公の女性が言うのです。
自殺は繊細な人や弱い人がするというけれど。

全ての装飾品を外して、婚姻のネックレスも外して娘を抱き上げながら階段を駆け上がって
その手すりに足をかけることができる人が弱いかしら?
弱い人はその手すりに足をかけることができるのかしら?

本当に、そうだよなと。

私はできなかった。
自分の人生に絶望する以上にその恐怖に打ち勝つことができなくて。
誰かに迷惑をかけたくない、家族や友達の傷になって責められるのが怖いという思いを打ち消すことができなかった。

死んでも尚苦しめられたらどうしようって考えて考えて実行に移すことができなかった。
そんな不安すら打ち勝つことができるような強い意志で自分の人生を終わらせる勇気がなかった。
それが、振り払えるような人は弱いのだろうか。

まあ人によるんでしょうが。

とても静かな映画をのんびりと見ることが出来てなかなか幸せでした。