そこそこ、を目指して ~うつだけど前を向きたい~

生きることを頑張れなくなってしまいました。でもぎりぎり生きています。

誰彼刻

夕方から夜になる時間はたまに心がざわざわして落ち着かなくなります。

空が夕日から紺色に変わる時間は心が落ち着かなくなって嫌なことをたくさん思い出したり未来を心配しては嫌な気持ちになります。
黄昏時や誰彼刻という呼ばれ方をするその時間は人の顔が見分けられなくなってあなたは誰だという問いかけからそう呼ばれたりするのだそう。
逢魔が時と同じ時刻の黄昏時は、大きな災いが起きやすい時刻だったり魔物に会ってもおかしくないような不吉な時間だと言われるのも頷ける独特の雰囲気になる気がします。

美しさは怪しさと似ていて、魅入られると帰って来れないとかはよく言います。
陶芸家の人が火はあまり見すぎると魅入られてしまうというのを聞いたことがあります。
この世界とどこかの世界が繋がっていてもおかしくないような世界の輪郭がぼやける黄昏時も同じような美しさがあるような気がするのです。

夜よりも周りがよく見えづらい時間帯だから運転や散歩すら危なかったり。
誰が誰だか分からないような時間は出歩くな。
昔からずっとずっとそう言われ続けてきたのかと思うとなんだか安心してくるのです。

そうやって怖いことや禁忌を言葉にして皆で共有してずっとあとに産まれた私がその感覚が昔からあったことに安心する。
今こうやってブログに書くことで顔も見たことも無い誰かが見ている言葉で繋がる関係と似ているような気がしています。
どんなに便利な世界になっても変わらないことだって確かにある。

黄昏時の不安な時間が、少しだけ和らいだと思ったらもう夜になってしまった。