そこそこ、を目指して ~うつだけど前を向きたい~

生きることを頑張れなくなってしまいました。でもぎりぎり生きています。

生きてさえいれば

これは、本のタイトルです。
『余命10年』という本を書かれた小坂流加さんの遺作になります。
前作も、亡くなられたあとに出版されたのです。

私はよく表紙買いしてしまうので、『余命10年』も綺麗な表紙に惹かれて買いました。
そんな表紙とは裏腹に内容はとてもセンシティブで、感情的なのに何故か洗練された言葉にぐっとくるものがあり、涙が零れました。
全てを読み終えてこの人の別の作品も読みたいと思い調べたら亡くなられていることを知りました。

感動の遺作、なんて安っぽい話ではありません。本当に伝えたかった想いなのかは分からない。
小坂さんはきっと感動させたいなんて微塵も思っていない。
ただ、この苦しみをどうにかしたい、誰か気付いて。そう足掻いていた結果だったのではないかと思います。

そして、亡くなられたあと見つかった原稿が『生きてさえいれば』だったそうです。

これは、きっと小坂さんの願いで祈り。
いきたかった、私はまだ生きたい、でも私はきっと生きられない。
そんな思いをただ伝えたくて、誰かに知って欲しくて紡がれた言葉だと感じました。あまりにも感情的なので、色々持っていかれる気がしますがらそれ以上の「何か」を得ることが出来ると思います。

自分で命を終えようとしている人に生きろなんて、命が勿体ないなんて言葉はきっと響かない。いえ、絶対に響きません。
生きたい人がいるなら命をあげたい程に追い詰められなければ人はそんなふうには思わないのだから。

でも、この人の思いに触れて、私は初めていきることを考えました。

本当に、小坂さんは、言葉を飾ることはしません。出てきた言葉をそのまま書き記すような感じです。
というよりも、そんな余裕はなかったのかもしれない。
だからこそ、その言葉は響き、揺さぶるのだと思います。


朝ごはんのついでに読むのではなかったと思いますが、読めてよかった。
本で心を揺さぶられるのは心地よいです。